『ぬぬぬかいしゃー沖縄の染織展』に行ってきました。
初めての土地で、初めてのメンバーとのグループ展、いろいろと不安はありましたが、思った以上に多くのお客様に来ていただき、ほっとしました。特に、喜如嘉の芭蕉布は知っているけど、バッグやテーブルランナーなど小物は見たことがないというお客様も多くそういうお客様には、少しでも芭蕉布を身近に感じてもらうことができたかなあと思いました。
また懐かしい友人、知人たちも、神戸や大阪、奈良などから駆けつけてくれて、久々の再会を楽しむこともできました。みなさま、ありがとうございました!
そして、グループ展のもう一つの楽しみは、他の作家の方に会えるということ。
今回は、西表の上森佐和子さん、亀田恭子さんにお会いすることができ、とても有意義な2日間を過ごすことができました。
特に亀田さんとは宿泊先も一緒だったので、夜遅くまで、仕事のこと、作品のこと、日々の生活のことなど・・話が尽きることなく延々とおしゃべりをして、本当に楽しかったです。
彼女とは、今回10年ぶりくらいに会ったのですが、素材は違っても、同じ織りをする人間同志(しかも一人で)、何かしら通じるものがあり、10年という歳月をほとんど感じることはなく、話がはずみました。
さらに、彼女は、その気負いのない自然体の人柄も素敵なのですが作品もとても素敵で、特に私が好きなのは、色使い。染料は、島に自生する樹木などから取ったものですが、ショールなど、この色の隣にこの色がくるか〜という絶妙の組み合わせ。そして濡れたような光沢というか・・独特の艶があります。
私も以前からずっ〜と彼女のショールが欲しくて欲しくて、今回やっと(何年越し?)直接注文することができました!
また上森さんは、ショールやバッグなどの他に、かりゆしウェアやワンピースなど、自分の布を使った洒落たデザインの服もいろいろ出展されていて、苧麻や綿など天然素材の布の、ショールなどとはまた別の使い方の提案はとても興味深かったです。
もう一人、津田明子さんは今回はいらっしゃらなかったのですが、他の2人と違って、あまり色をつけずに、絹や苧麻の自然の色合いを大切にした作品で、涼しげで素敵でした。また、私が普段使っている繊維よりはかなり柔かい風合いの芭蕉の糸を使ったショールなどもあり、芭蕉は固いのでショールに向かないと思っていましたが繊維の質、織り方によっては、可能性がないわけでもないかなと、彼女の作品を見て、また少し希望が出てきました。
そして、思いました。
同じ「沖縄の染織」でも、石垣、西表に住んでいるこの3人の作品からは、やはり、確かに八重山の空気や風を感じると・・。
それが何なのか、染料なのか、素材なのか、織りなのか・・はっきりわかりませんが、何か布に包み込まれるようなおおらかさ。その布がある空間にいると、すーっと身体の中を風が吹き抜けるようなそんな感じ。
ギャラリーの中にいるのが、本当に心地よかったです。
そして、さらにそんな心地よい空間でいただいた西表のピーチパイン(上森さん、亀田さんが西表から重い思いをして持ってきてくれた貴重なもの)は、その名のごとくほんのり桃の香りがして、とっても美味しかったです。